作家の力をお借りして

皆様こんにちは。矢部亮です。


直義さんほどではありませんが私も脚本を書く端くれ、ここはバシっと気のきいた文章を書いていこうじゃないか!

と下書きを書いたらものの見事にオジサン構文になってしまったのでそっと全削除しました。

ちゃんとした長文は難しいですね。


さて、今回の「サイコな姫と耳の長いオレ」。

原作は坂口安吾の「夜長姫と耳男」。

今回だけでなく、BQMAPは「日本の歴史を作ってきた人・モノ」をモチーフにすることが多く、作家も例外ではありません。

「プリオシンの竜骨」では宮沢賢治を、

「天守物語」は泉鏡花を、

そしてアンモナイトシリーズでは芥川龍之介・江戸川乱歩を。

名だたる文豪の力を借りて、物語を舞台というエンタメへ昇華していきます。

で、その度に作家それぞれの「言葉の使い方」に再度気づかされ、またその力に引っ張られるような感覚になります。

プリオシンの時はみんなオノマトペ(擬音)を使うようになったし、

泉鏡花のオシャレな言葉をどうにかしてひねり出そうとするもダサいフレーズしか出てこず笑ったり。


となると坂口安吾はどのようになるか。

彼の作品は基本的に重い話が多いです。色々と救われないし。

でもそんな中にある、藻掻き苦しみながらも進んでいく人の力と言葉に惹かれます。

今の時世、本当に皆さん苦しい思いをしていますが、その中でも必死に藻掻き苦しみ進んでいくこのお話は、正に今だからこそやる作品かなあと稽古場で感じています。

でも、ただ重く終わってしまっては味気ありません。そこはほら、BQMAPですから。

演者もいろいろと挑戦しながら、お客様に向けて作り続けています。


約2年ぶりの有観客公演まで、あと少し。

坂口安吾とBQMAPの混ざり合う世界観、是非お楽しみに。